- within Antitrust/Competition Law, Consumer Protection, Government and Public Sector topic(s)
最近、不使用取消審判を請求され、使用証拠の提出を求められる案件において、OEMに関連する商標使用証拠の収集が困難であるという問題に遭遇しました。すなわち、中国本土で製品を製造し、商標を貼付した上で他国へ輸出するものの、中国国内では販売されないケースにおいて、証拠の収集が難しく、その結果、本来であれば維持されるべき商標が商標局から支持を得られない状況が生じています。本稿では、こうした状況を説明し、当該困難を打破し、未然に防止することを目的としています。
「商標審査審理ガイドライン」の規定によれば、「係争商標が実際に使用された商品が中国国内で流通しておらず、直接輸出された場合には、指定商品の使用として認定することができる」とされています。また、「北京高級人民法院による商標の権利付与・権利確定に係る行政事件審理ガイドライン」では、「係争商標を使用した商品が中国国内で流通せず、直接輸出された場合、係争商標の登録者が登録維持を主張する場合には、これを支持することができる」とされています。OEM製造が上記規定にいう「中国国内で流通せず、直接輸出された行為」に該当するかについては議論の余地があるものの、現時点における不使用取消審判の審決や判決を見る限り、商品輸出に係る完全な証拠連鎖を形成している証拠資料を提供できれば、OEM製造に係る使用証拠が不使用取消審判において認められる可能性は高いといえます。
したがって、商品輸出に係る完全な証拠連鎖を構築することが、OEM使用証拠収集の要点となります。
以下に、商標権者が中国の製造業者にOEM製造を委託する場合の一般的な流れを整理しました。

上記の流れに基づき、輸出に関する完全な証拠連鎖として、商標権者から商社への注文書、商社から中国本土製造業者への注文書或いは双方の契約書、中国本土製造業者が通関会社を通じて作成した税関輸出申告書、製品の出荷明細書、船荷証券(B/L)、日本税関での輸入関連書類などの書類が必要となります。
実務上、証拠収集の際の主な困難点は以下の通りです。
一、商標が明確に表示されているかどうか
通常、契約書、出荷明細書、船荷証券(B/L)、輸出通関書類等の書面には、商標が明確に表示されていないことが多いです。OEM注文書や製品自体には商標が表示されているものの、注文書や製品写真、カタログと、商標表示のないその他の資料との関連性をいかに立証するかが、困難を打破する鍵となります。このような場合、注文書や製品写真、カタログに記載された製品型番やバーコード番号等が補助的な証拠となり得ます。すなわち、製品写真やカタログを撮影する際には、製品の型番やバーコードも同時に写し込むべきです。また、契約書、出荷明細書、船荷証券(B/L)、輸出通関書類等の証拠にも製品型番やバーコード番号が記載されていることが必要です。
二、証拠が要証期間内であるかどうか
原則上、上記証拠については不使用取消審判請求の要証期間内のものである必要があります。しかし、完全な証拠連鎖の中で一部の証拠が要証期間外である場合であっても、提出することが可能です。例えば、商標権者から商社への注文書、商社から中国本土製造業者への注文書或いは双方の契約書が要証期間外であったとしても、中国税関輸出申告書が要証期間内であれば認められる場合があります。
三、証拠の数量
証拠の点数について、少なくとも完全な証拠連鎖を示す証拠が2~3セットは必要です。その中で商標が付された実際の製品を示す写真が5~10枚、商標が表示された宣伝資料(作成または印刷時期が要証期間内のものが望ましい)が1~2部が必要となります。
実際の案件では、商標権者(OEM製造委託者)が、商社との契約を取得することが容易ですが、商社から中国本土製造業者への注文書或いは双方の契約書、中国本土製造業者が通関会社を通じて作成した税関輸出申告書、製品の出荷明細書、船荷証券(B/L)、日本税関での輸入関連書類などの取得は困難です。従いまして、不使用取消審判を請求された時点から証拠収集を始めるのではなく、注文時から商社に対してOEM製造に関する証拠を確保しておくことが重要です。
The content of this article is intended to provide a general guide to the subject matter. Specialist advice should be sought about your specific circumstances.
[View Source]